こんにちは。
心理カウンセラーの玉川です。
今回紹介する本は、こちら。
個人的なオススメポイントは、
マイクロトラウマと、モラルハラスメントについてです。
マイクロトラウマとは、
トラウマ(心の傷)になるような、特定の大きな出来事は無いけど、
日常の中で「ちょっとイヤだな」と感じることを、継続して体験し続けることで、トラウマになるのと同じような状態になることです。
細胞レベルのトラウマなど、他の言葉で表現されることもありますが、
要は、
一回でがつんっとケガして傷つくのと、
軽いケガだけど、治りきる前に、何度も繰り返しケガして傷つくのは、
最終的に、どっちも同じぐらいの大ケガだよね、ということです。
マイクロトラウマは、
大きなトラウマと同じぐらいの影響力を持っているのに、原因として見つけにくいので、扱うのがちょっと大変です。
(物理的な暴力の無かった毒親系のテーマも、マイクロトラウマ系だったりします)
人間関係でメンタルが不安定になるときは、このマイクロトラウマが根っこにあることが多いです。
例えば、
露骨な暴力とかは無いけど、
日常的に、相手が自分優先で、こちらの意見を受け入れてもらえなかったり、
こちらが伝えたことを相手に忘れられたりするような関係は、
周囲の人に話しても「そういうことあるよねー」と本気で受け止めてもらいにくかったりして、
最終的にメンタルへのダメージが蓄積されて、マイクロトラウマになりやすかったりします。
目に見えない同調圧力や、
誰が決めたのか、誰を幸せにしているかよくわからないけど、強制されているようなマナーなども、
状況次第で精神的な暴力となり、マイクロトラウマに繋がることがあります。
今回ご紹介する本は、
マイクロトラウマについて専門的に書いているというより、
『「マイクロトラウマ」という概念が存在することを前提として、人間関係のトラブルへどう対処していけばいいのか』
ということが書いてあるので、
マイクロトラウマについて、ちょっとだけ興味があるぐらいの方に、ちょうどいいかなと思っています。
この本の、もう一つのオススメポイントは、モラルハラスメントに関する記述です。
モラルハラスメントをしてくる人の心理や、
自分がモラルハラスメントをされたらどうしたらいいかみたいなことが書いてあるのですが、
個人的には「モラルハラスメントの6つの手口」が、わかりやすくてオススメです。
<モラルハラスメントの6つの手口>
(向後善之「人間関係のレッスン」を参考にまとめています)
1.一方的な決めつけと人格攻撃
2.カテゴリーエラー
(仕事の話をしているのに「そんな性格だからダメなんだ」みたいに、話している内容の種類がすりかわる)
3.歪んだ三角コミュニケーション
(ここにいない第三者の名前を出して「あの人も…言っている」「あの人が…って言っていました」と伝言ゲームをする)
4.自分を被害者にした攻撃
5.ダブルバインド的攻撃
6.突然のやさしさ
(DVで言うハネムーン期)
この6つの手口を知識として知るだけでも、
そういう状況にまきこまれかけたときに、
「…あれ、これって…」と気づくきっかけにできるので、
モラルハラスメントの泥沼に入り込んで、ダメージが大きくなるのを防げるかなと思っています。
薄いですが、読みごたえのある本です。
2010年の発売ですが、私は、今でも本棚に残しています。
あくまで私の個人的な感覚ですが、いつ手に取っても、内容を古く感じない本なので、縁があれば、ぜひ手にとってみてください。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事を書いた人

- 心理カウンセラー
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恋愛、友達関係を中心に、人間関係をテーマにしたカウンセリングを行う。
セッションの時間外、日常での中の取り組みを重視し、本人の基礎力をコツコツあげるスタイルに定評がある。
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