こんにちは。
心理カウンセラーの玉川です。
今よりも人間不信が強かったころ。
私は、他人とほどよい距離を作るのが、ものすごく下手でした。
「他人とは仲良くしたほうが楽しい(だろう)し、仲良くするには近づかないといけない」
「でも、いつ、なんとき、目の前の人が敵になるかもわからない…」
そういう気持ちがあったので、他人と距離を縮めつつも、他人との距離が近くなると、過剰なまでに自衛するという、とても矛盾したことをしていました。
そんなころの私が読んだら、きっとホッとしただろうなという本を見つけました。
このコラムを書いている2019/11/15には、Amazonでもレビューがついていませんでした。
(私の好きな商品やサービスのほとんどは、不人気ですぐ店頭から姿を消すんですよね…)
個人的には、それなりに良書だったと思っています。
恋人、家族、職場…あらゆる人間関係においては、他人との距離が近すぎるからこそ、相手と感情的にもつれてしまう。
だから、ドライでいられる関係まで距離を取ろう。
距離をとることで、風通しがいい関係になる。
人はほどよく離れるほうがわかりあえる。
特定の人に好かれるより、たくさんの人を好きになる生き方を大切にしたい。
そういった感じの内容が書いてあります。
子育てや介護なんかでは、顕著ですが、保育所や介護施設に、子どもや親をあずけたほうが、お互いにおだやかでいられることってありますよね。
これこそがまさに「距離をとることで風通しがいい関係になる」だと思っています。
学校での子どものいじめは、クラスが一緒になったばかりでは起きず、だんだんと心の距離が近くなってから起きます。
職場でのパワハラも、会社に入ったばかりのときはお互いに様子見をしていますが、仕事に慣れてきたり、相手の人となりをなんとなく知って、ヒエラルキーができてから発生します。
家庭内DVも、家庭の外、赤の他人にDVすることはほとんどありません。DVの標的になるのは、家の中、家族という近い存在です。
などなど、距離が近いことで、いらぬ軋轢や、感情的なもつれが起こる場面って、実はたくさんあります。
(だからこそ、人間関係でトラブルが起きた時は「とにかくまずは相手と距離を取る」というのが一番大切なのです)
とはいえ、
「相手と距離を置くのは冷たいじゃないか」
「そんなことしたら、相手がかわいそうじゃないか」
という気持ちが湧いてくることもあります。
そういった言葉で、自分の中の不信感をなんとか押さえつけ、なんとか他人との距離を近づけようとしていたのは、まさに昔の私です。
そんな昔の私に、この本はこう伝えています。
和田秀樹『つかず離れずいい関係』新講社,2019年,p.87
「人と人は、ある程度の距離を置いたほうが本当はわかり合えるし、好きな人、愛する人とも長くいい関係が保てる」
本当は距離をとりたいのに「他人と距離を置いてはいけない」という禁止令に苦しんでいた私には、とても染みる言葉です。
『なんだ、そっか。距離を置いてもいいんだ』
『だって、相手といい関係できたらいいなって思っているんだもの』
そう思って、肩の力が抜けるだろうなと思います。
人間関係でのトラブルに関わらず、
カウンセリングで「感情」に関する問題を解決するときは、「感情」に飲み込まれないよう、その「感情」から距離を取るという手法を使います。
外在化、ディソシエイト、マインドフルネス、瞑想…こういったものも「感情」から距離をとる方法の一つです。
今回ご紹介した本にも、他人とうまく距離を取る方法がいくつか書いてあります。
もし、他人との距離の取り方にお困りでしたら、参考になるかもしれません。
よかったら手にとってみてください。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事を書いた人

- 心理カウンセラー
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恋愛、友達関係を中心に、人間関係をテーマにしたカウンセリングを行う。
セッションの時間外、日常での中の取り組みを重視し、本人の基礎力をコツコツあげるスタイルに定評がある。
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