こんにちは。
心理カウンセラーの玉川です。

私はもともと、自分が「人間不信である」という自覚がありませんでした。

精神的に不安定な部分があることは理解していましたが、

それを誰かに伝えたり、それらを改善するために何かをしようともしていませんでした。

(ただ、心理学的なものには興味があって、関連する本はちょくちょく読んでました)

 

そんな私が、たまたま手にとって、

「…え?」

と、複雑な衝撃を覚えた本があります。

 

その本の作者は加藤諦三さん。

 

正直、この方の書籍は「使われている言葉や考え方があわなくて、読むのがいやだ」と感じる人も多いと思っています。

参考までに、今回紹介する加藤諦三さんの『「やさしさ」と「冷たさ」の心理(愛蔵版)』から、少し引用します。

加藤諦三『「やさしさ」と「冷たさ」の心理(愛蔵版)』PHP研究所,2016年,p.230
世の中には、自分の子供を次々と地獄に突き落とし、突き落とすことで心のバランスを維持している親がいる。

加藤諦三『「やさしさ」と「冷たさ」の心理(愛蔵版)』PHP研究所,2016年,p.231
復讐のつもりで地獄にいたとて、自分を地獄に突き落とした人は、「可哀そうに」などと同情しているわけではない。「ダメな子だったなあ」と嘲笑しているだけである。「可哀そうに」などと思えるくらいの人なら、その人は地獄に落ちなくてすんだであろう。「しかし、馬鹿な子だ」とあざ笑われているだけなのである。

加藤諦三『「やさしさ」と「冷たさ」の心理(愛蔵版)』PHP研究所,2016年,p.237
あなたに母親らしさを押しつけた人がいた。あなたに父親らしさを押しつけた人がいた。あなたに友情を押しつけた人がいた。あなたに恋人らしさを押しつけた人がいた。その「らしさ」を押しつけた人の真意は、何であったか? それは「らしさ」を押しつけつつ、実はあなたを自分の思うように支配することであった。

加藤諦三『「やさしさ」と「冷たさ」の心理(愛蔵版)』PHP研究所,2016年,p.237-238
あなたに「らしさ」を押しつけた人達は、一度だってあなたの言い分を聞いてくれたことがあったか。あなたの言い分は、常に無視されてきたではないか。そして彼らの一方的な言い分を聞くことは、あなたの「義務」ではなかったか。実は、そんなの義務でもなんでもない。あなたは卑怯者の利己的な言い分に、感情的な拘束感を持ってしまっただけなのである。

こんな感じの記述が、加藤諦三さんの本にはたくさん並んでいます。

毒親や、パーソナリティ障害系の悩みを持っている相談者の方の中には、

加藤諦三さんの名前を知らなくてもこの人の書籍を何冊か読んだことがあると、教えてくださることも多いです。

 

私が加藤諦三さんの本をとったときは、

「いろいろあるけど、基本的には自分がおかしい」
「自分がなんとか変わらなくてはいけない」

という前提が、無意識レベルで、自分の中にありました。

その状態でこの人の本から受け取った「おかしいのは、あなたではない。周囲だ」というメッセージは、当時の私にはとても新鮮でした。

 

加藤諦三さんの本は、私自身が意識することもなかった感覚が、ストレートに書かれていて、他の本にはどんなことが書いてあるんだろうと、気になって、他の本もたくさん読みました。

 

最初は、こんな他人を恨むような、他人に責任を押し付けるようなものばかり読んで、どうなるんだという気持ちもありました。

でも、かなりの冊数を読んだ後、ふと「もう読まなくてもいいかも」と満足した感覚がありました。

「自分が感じていたこと、考えていたことを、同じように感じ、考えている人が、世の中にはいたんだ」

「私に見えていた世界を、同じように認識している他人が存在していたんだ」

そう実感したとき、すっと肩の力が抜けたことを覚えています。

 

この方の本をたくさん読むことで、

「家族って大事っていうし、ガマンも大事っていうし」
「子を思わない親はいないっていうし」
「そんなこと、考えてはいけない、思ってはいけない」

そういった私の中にあった、禁止令みたいなものを上書きしきった感じです。

 

もし本の内容に、

『まぁ、そうはいいつつ、家族にも良いところはあるし』とか、
『他人を恨み続けても、何も変わらないよ』みたいな、

多少「相手にも譲歩しよう」みたいな気配があったら、無意識レベルで他人を信じていなかった私には、きっと届かなかっただろうなと思っています。

 

最近は、あまり加藤諦三さんの本を手に取ることはありませんが、今でも、本棚に数冊残っています。

今回、ご紹介のために、ひさしぶり本棚から出しましたが、そこに昔の私がいるような気がして、とてもなつかしい感じがしました。

もしご興味あれば、本屋などで手にとってみてください。

 

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

この記事を書いた人

玉川 華世
玉川 華世心理カウンセラー
恋愛、友達関係を中心に、人間関係をテーマにしたカウンセリングを行う。
セッションの時間外、日常での中の取り組みを重視し、本人の基礎力をコツコツあげるスタイルに定評がある。無料メルマガ「友達ゼロからはじめる恋愛入門以前」の登録はこちら。