こんにちは。
玉川です。
依存的で重い。
ちょっとしたことで、すぐ傷ついて、泣く。
どんな話をしていても、いつの間にか自分の話に持って行かれる。
自分の都合のいいように、コントロールしようとする。
そんな、パーソナリティ障害的な傾向がある人とは、距離をとる(逃げる)ことが、とても大切です。
距離をとることが、彼らとの関係を変化させる、唯一の方法だからです。
例えば、こんな感じ。
女性「母が重くて、ツラいんです」
玉川「まず距離をとりましょう」
「お母さんの感情に巻き込まれないように、まず、境界線を引きましょう」
「直接会うのは避け、メールや電話は最小限に。やりとりする必要があるなら、電話を避け、メールでのやりとりが望ましいです。」
〜数ヶ月後〜
女性「距離をとったら、傷ついた!とか、親不孝者!!とか、責めるようなメールが届くようになりました・・・」
玉川「いい感じです。引き続き距離を取り続けましょう。」
「ここで戻ったら、お母さんは『責めれば、言うことをきいてもらえる』と学びます」
「お母さんの感情のケアは、お母さんが自分でしなくてはいけません」
「『いつ帰ってくるの?』には『しばらく帰る予定はないよ。そのときになったら連絡する』みたいに、用件のみを返しましょう」
〜数ヶ月後〜
女性「今度は、母から、さびしいとか、ツラいとか、悲しい感じのメールが来るようになりました」
「なんだか、悪いことをしているような気がして、私もとてもツラいです・・・(涙)」
玉川「求められているのに、応えないようにするのはシンドいよね」
「育ててもらったことには感謝してもいいです」
「でも、それはそれ。これはこれ」
「お母さんが、さびしいのも、ツラいのも、お母さんの課題です」
「ここで戻れば『泣き落とせば戻ってきてくれる』と、お母さんは学びます」
「もうちょっとだけ、がんばって距離を取りましょう」
〜数ヶ月後〜
女性「そういえば、最近、母から連絡が来なくなりました」
「たまにメールが来ますが、そんな重くなくて、前よりラクにやりとりできます」
・・・とまぁ、
パーソナリティ障害的な傾向を持つ人との関係は、だいたい、こんな感じの流れで変化します。
パーソナリティ障害的な傾向が強い人といると、シンドくなる一番の理由。
それは、自分の境界線がやぶられそうになるからです。
パーソナリティ障害的な傾向が強い人は、無意識に、自分と相手の境界線を越えようとします。
境界線を越えるのが、良いコミュニケーションだと信じているからです。
私たちは、境界線を越えられそうになると、これまた無意識に守ろうとします。
つまり。
こちらに踏み込もうとする侵略者を相手に、全力で陣地を守る戦いを、水面下で繰り広げているわけです。
そりゃあ、疲れます。
シンドくもなります。
ちなみに、パーソナリティ障害的な傾向が強い本人は、自分がこんな戦いをしかけている自覚はありません。
距離をとると、文字通り、お互いの心の距離が遠くなるので、戦えなくなります。
(剣を相手にあてるには、相手の近くに行かないと当たらないからね)
相手がこちらを侵略することができなくなれば、こちらが自分の陣地を守る必要もなくなります。
余計なエネルギーを使わなくなるので、コミュニケーションをとっても疲れにくくなるわけです。
(注)
パーソナリティ障害的な傾向を持つ人との関係を変えるときには、玉川は本人の感情整理よりも、現実的な対処を優先させる場合があります。
本人の感情整理を行っても、身近に疲弊させる存在がいると、本人の回復が進まなくなるからです。
依存的で重い母だけど、見捨てたくない。
すぐコントロールしようとしてくる夫だけど、一緒にいたい。
そういう方ほど、ぜひ、一度、相手と距離をとることをオススメします。
一緒にいて、やさしくすることだけが、愛ではありません。
自分が壊れるまで、そばにいることは、愛ではありません。
愛しているからこそ、やさしくしたいからこそ、相手の幸せを願っているからこそ。
距離をとってあげることが必要な時期もあります。
逃げることを恐れないでくださいね。
この記事を書いた人

- 心理カウンセラー
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恋愛、友達関係を中心に、人間関係をテーマにしたカウンセリングを行う。
セッションの時間外、日常での中の取り組みを重視し、本人の基礎力をコツコツあげるスタイルに定評がある。無料メルマガ「友達ゼロからはじめる恋愛入門以前」の登録はこちら。